もうすぐ運動会。我が子の晴れ姿をしっかり見たいと思うと、気になるのが場所取りですよね。
「何時から並べばいいの?」
「そもそも場所取りってしていいの?」
「知らずに決まりを破ったら気まずいな・・・」
そう思って調べ始めると、少し戸惑うかもしれません。「朝早くから並ぶもの」という話も聞けば、「今は場所取り自体が禁止」という話も聞くからです。
どちらが本当なのか、迷ってしまいますよね。
そこで、全国の小学校・幼稚園が実際に配っている運動会の案内を30校以上調査しました。分かったのは、どちらも本当だということでした。学校によって、決まりが正反対だったのです。
今回は、その調査結果をもとに「自分の学校がどのタイプなのか」の見分け方と、タイプ別の動き方をまとめました。
学校の決まりは毎年変わります。この記事は考え方の整理として読んでいただいて、必ず今年配られたプリントを確認してくださいね。

「何時から?」の答えが学校でバラバラな理由
まずは実際にどれくらい違うのか、見てみてください。どちらも2026年5月に配られた案内で、同じ年の同じ月の情報です。
Aの学校
- 当日の朝7時40分から場所取り開始
- 約1メートル×1.7メートルの区画を250ほど用意
- 前日の場所取りは不可
- 石・砂・ペグの使用を全面的に禁止
- 敷物は水を入れたペットボトルで押さえるよう指定
- テント・パラソルは敷地内全面禁止。三脚も禁止。運動場内の日傘も禁止
Bの学校
- 三脚・一脚・脚立を使った撮影は禁止
- シート・椅子・日傘での観覧と場所取りを禁止
ずいぶん違います。Aは「場所取りをする前提で、やり方まで細かく決めている」学校で、Bは「そもそも場所取りをさせない」学校です。
なぜこんなに違うのか
理由はシンプルで、運動会の決まりは学校ごとに定めているからです。文部科学省や教育委員会が全国統一のルールを出しているわけではありません。
校庭の広さも、児童数も、周りの住宅事情も学校によって違いますから、当然といえば当然ですね。
そのため、一般的な時刻を調べて出かけても、空振りになってしまうかもしれません。まずは自分の学校がどちらのタイプなのかを知るところから始めましょう。
自分の学校のタイプを見分ける方法
配られたプリントを手元に用意して、一緒に確認していきましょう。
探すのはこの7つの言葉
- 開門(何時に門が開くか)
- 場所取り(そもそも認めているか)
- シート(敷いてよいか、大きさの指定はあるか)
- 区画(割り当てがあるか)
- 抽選/くじ(順番の決め方)
- 立ち見(座らせない方式か)
- 優先エリア/観覧ゾーン(学年で入れ替えるか)
この7つのうちどれが書かれているかで、だいたいタイプが分かります。

タイプは大きく5つ
1. 場所取り禁止タイプ
シートを敷くこと自体がNG。全員立ち見で、子どもの出番のときだけ前に出る方式です。「立ち見」「優先エリア」「交代」という言葉があればこのタイプ。
2. 抽選・くじタイプ
学校が区画を用意して、くじで順番を決める方式。子どもが学校でくじを引いてくる場合もあります。「抽選」「くじ」「確認証」「番号」が目印です。
3. エリア指定・入れ替えタイプ
観覧エリアが決まっていて、競技中の学年の保護者が優先して入る方式。1と2の中間で、エリアの外ならシートを敷ける学校もあります。
4. 先着タイプ(開門時刻あり)
開門時刻が決まっていて、そこから早い者順。「◯時開門」「それ以前に並ばないでください」がセットで書かれていることが多いです。
5. 前日タイプ
運動会の前日に場所取りの時間が設定されている方式。前日の夕方や昼過ぎに指定されているケースがありました。
プリントに書かれていないときは
この場合は、学校に確認するのが一番確実です。担任の先生ではなく学校の事務室かPTAに聞くほうがスムーズかもしれません。
場所取りの運用はPTAが担当している学校が多く、担任の先生が把握していないこともあるためです。
聞き方はこんな形で大丈夫です。
「運動会の保護者の観覧について、場所取りはできますか? できる場合は何時からでしょうか?」
ちなみに「去年はこうだった」を前提にするのは、少し危険かもしれません。前年は前日の夕方から場所取りができたのに、翌年から当日の朝6時開門に変わった学校の相談も見つかったからです。
毎年確認するのが確実ですね。
タイプ別・当日の動き方

1. 場所取り禁止タイプの場合
行く時間は開門時刻で問題ありません。早く行っても座れる場所はないためです。
持ち物は、日陰がないことが多いので帽子と飲み物を。折りたたみ椅子は禁止の学校が多いので、プリントで確認してくださいね。
当日の動き方は、子どもの出番の直前にエリアへ入って、終わったら次の学年の保護者に譲るという流れです。世帯ごとにリボンやリストバンドが配られて、それを着けた人だけが前に入れる仕組みの学校もありました。
このタイプで多い困りごとが「最前列の人が立ったまま動かない」というもの。そのため、最前列の人はかがんで見るようにと案内している学校もありました。
しゃがんで観覧するのが前提の学校もあるということですね。知っておくと当日戸惑わずに済みます。
2. 抽選・くじタイプの場合
行く時間は、指定された集合時刻に間に合えば大丈夫です。くじで決まっているので、早く行っても順番は変わりません。ここは気が楽になるところですね。
ただし注意点が1つ。番号を呼ばれたときにその場にいないと、列の最後尾に回されてしまう学校があります。呼び出しの時刻には必ずいてくださいね。
持ち物は、確認証やくじの控えを忘れずに! これがないと参加できません。
このタイプは区画のサイズが決まっていることが多く、一家庭あたり畳2枚ぶん程度、あるいはスズランテープ7メートルで囲める範囲、といった指定がありました。指定より大きく取ることはできません。
さらに細かい決まりを設けている学校もあります。場所取りに参加できるのは一家庭2名以内、子どもだけでの場所取りは不可、親同士で席取りを頼んだり列の途中に知り合いを入れたりしないこと、などです。
細かく感じますが、それだけトラブルがあったということなのかもしれませんね。
3. エリア指定・入れ替えタイプの場合
行く時間は開門時刻。エリア外にシートを敷ける学校なら、早めに行く意味があります。
注意したいのは、優先エリアは競技開始の直前まで入れないことがあるという点です。早く行って待っていても入れません。エリア内でのシートのサイズを、100センチ×120センチ程度までと指定している学校もありました。
4. 先着タイプの場合
行く時間は開門時刻の少し前と言いたいところですが、ここが要注意です。開門前に並ぶことを禁止している学校が多くありました。詳しくは次の章で書きますね。
もう1つ意外だったのが、場所を取ったあといったん校外に出るよう指示している学校があることです。保護者が通常どおり来校できるのは8時30分以降、という運用でした。
場所を取ったらそのまま居座れる、とは限らないのですね。
5. 前日タイプの場合
行く時間は指定された前日の時刻です。前日に置いておくものが制限されていることがあります。
ある学校では、シートは風で飛ばされる可能性があるため前日には敷かないこと、と理由まで添えて案内していました。前日は杭とひもで区画を示すだけ、当日にシートを敷く。そういう運用ですね。
あと、雨で延期になったときの扱いも学校によって違うので、プリントに書かれていなければ聞いておくと安心です。
開門時刻には大きな幅がある
30校以上の案内を調べて出てきた、開門・場所取り開始の時刻を並べてみますね。
- 朝4時30分(2013年の案内。チャイムの合図で開始)
- 朝6時30分(校舎側のみ先に開場)
- 朝7時
- 朝7時30分
- 朝7時40分
- 朝7時50分
- 朝8時
- 朝8時20分
- 朝8時30分
- 朝8時45分
4時間以上の開きがありました。朝4時半に集合する学校もあれば、8時45分でよい学校もある。これでは「一般的には何時」とは言えませんね。
早く行けば有利とは限らない
見落としやすいところですが、開門前に並ぶことを禁止している学校が複数ありました。しかも理由がちゃんと書かれていたんです。挙げられていたのは、次のような内容でした。
- 開門時刻より前に正門付近や沿道に並ぶと、近隣の迷惑になる
- 早くから待機されると、児童の登校時間に学校周辺が混み合う
言われてみればそうですよね。学校の前の道は、ほとんどが住宅街です。早朝に列ができれば、話し声も車の出入りも、ご近所には迷惑になってしまいます。子どもたちの登校時間とも重なります。
とはいえ、決まりを守った人が損をするのはモヤモヤしますよね。
実際、ある学校の保護者アンケートには「開門前に場所取りをしている人がいるようだ。貼り紙だけでは効果が弱いのではないか」という趣旨の意見が寄せられていました。同じことを感じている方はいるのですね。
気になるならPTAに伝えるのが、結果的に一番早く変わる方法かなと思います。
シートの押さえ方は、学校の指定が最優先
ここが一番、判断に迷うところでした。シートを固定する道具について調べてみると、学校によって可否が真逆だったからです。

ペグ(杭)は、禁止と推奨に分かれた
石・砂と並べて「絶対に使わないでください」と明記している学校がある一方で、席取りに使うものとしてペグを挙げ、金槌があると便利とまで書いている学校がありました。
同じ道具が、一方では「絶対に使うな」、もう一方では「金槌もあると便利」。ここまで違うと、一般論からは判断できません。
学校が決めることなんだと思っておくのが正解でした。
石は、推奨している学校なし
禁止している学校はありましたが、推奨している学校は1校もありませんでした。理由がよく分かる投稿を見つけたので、紹介させてください。運動会でシートを何で押さえるか質問した方への、ベストアンサーです。
石は好まれません。誰にか?学校側にです。学校では、石が競技で危険なため、全部拾って学校の隅に追いやります。それなのに、いつも保護者が石を見つけて来て、校庭に運んできます。
出典:Yahoo!知恵袋(2011年)
学校は競技の安全のために校庭の石を取り除いているのに、そこへ保護者が石を運び込んでしまう。せっかくの作業が台無しです。
禁止と書かれていなくても、石は避けるのが無難ですね。ちなみにこの回答は、シート固定用のクリップをすすめていました。軽くて繰り返し使えるのが理由だそうです。
ガムテープは、意外な結果
これは少し驚いたのですが、ガムテープを禁止している学校の案内は1つも見つかりませんでした。それどころか、記名用や敷物の補強用として指定している学校があったんです。
さきほどの質問をした方は、お礼のコメントで「ガムテープは芝生がかわいそうなのでやめる」という趣旨を書いていました。
気持ちはよく分かります。ただこれは投稿者さん自身の判断であって、学校の決まりではありませんでした。
水入りペットボトルを指定している学校も
敷物は水を入れたペットボトルで押さえるように、と公式に指定している学校がありました。
興味深いのが、別の学校では「砂の入ったペットボトル」を禁止していたことです。水はよくて砂はだめ、という区別ですね。中身まで指定されることがあるとは、これも驚きでした。
敷物そのものに指定がある場合も
ある幼稚園の案内が、なかなか細かく決められていました。保護者席の敷物は45リットルのごみ袋のみ。レジャーシートや座布団は一切使用不可。1家族2枚まで、厚みは3センチまで、クラス名と氏名を記入。
小学校でも、児童席の敷物について縦50センチ・横30センチ・厚み4センチまでとサイズ指定しているところがありました。
シートの押さえ方【結論】
プリントに指定があれば、それに従う。
指定がなければ、地面を傷つけず、他の人の迷惑にならないものを選ぶ。
これに尽きますね。
道具を用意するなら早めに
ペグが認められている学校向けに、シートを固定する道具も調べてみました。100円ショップにはシート固定用の杭やピンがあります。
たとえばダイソーの「シート押さえ杭(コの字タイプ、4セット)」は110円で4個入り。ピンがスチール、押さえ板がポリプロピレンのタイプです。
▶ シート押さえ杭(コの字タイプ、4セット)|ダイソーネットストア
似たような商品はキャンドゥにもあって、こちらも110円でした。
ただ、1つ注意点があります。確認した時点で在庫なしや販売期間外の表示が出ている商品がありました。シーズン商品なので、運動会の直前に探しに行くと見つからないかもしれません。
早めに用意するか、店舗で在庫を確認してから行くと安心です。
なお、アスファルトの校庭では杭が刺さらないので、水を入れたペットボトルなど地面に穴を開けない重しを選ぶことになります。ここも、まずはプリントの確認からですね。
数年で決まりが変わった学校もある
「昔はもっと競争が激しかったのに」と感じる方もいれば、「そんな時代があったんだ」と思う方もいるのではないでしょうか。ある保護者の方が、お子さんの6年間で見た変化を投稿していました。
息子が小1の時は初めての運動会でビックリしました。門が開く前に、門や塀を乗り越えてトラック周りには皆んなが敷物をしいてカメラの三脚を立てて置いてある。(中略)小2では開門前の席取りが禁止になり、勝手に置いてあるものは撤収するとなりました。(中略)小3では見張りの先生達まで出現しました。
出典:Yahoo!知恵袋(2024年)
この方によると、高学年になった頃に観覧が入れ替え制になり、そうした光景はなくなったそうです。
門を乗り越えて、大きなテントを張って、音楽をかけながら場所取り。6年でここまで変わった学校があるということですね。
2020年のコロナ前後に起きたこと
2020年の学校の案内には、運動会を短縮し、観覧席の場所取りも中止すると書かれていました。そして2023年に人数の制限は解除されていきます。
報道では、2022年までは観覧できる人数を1家族2人までとしていた学校が、2023年には制限をなくしたと伝えられました。
人数制限の解除と、場所取りの復活は別だった
ここが大事なところです。2023年度の案内で参加人数の制限をなくすと書いた学校が、同じ資料の中でシートによる場所取りとテント、ペグの打ち込みを禁止していました。
人数は元に戻したけれど、場所取りは戻さなかったということですね。
半日開催が定着した影響も大きいと思います。2023年の報道では、制限が解除されたあとも半日開催を続ける学校が多いと伝えられていました。理由は場所取りやお弁当の準備の負担軽減、そして子どもの熱中症予防です。
午前中で終わるなら、朝から場所を確保して一日過ごす必要がないわけです。言われてみればその通りですね。
情報がいつの時点かを確かめる
運動会の場所取りについては、10年以上前の情報も残っています。朝6時に並んで花火の合図で一斉にスタート、といった記述もありました。
それは当時実際にあった光景です。ただ、今のあなたの学校の決まりとは限りません。もう一度になりますが、最新情報はお子さんの学校の最新年のプリントを確認してみてくださいね。
それが一番確実です。
よくある困りごとQ&A
調べていて何度も出てきた疑問をまとめました。
開門前に並んでいる人がいて、決まりを守ると損をする
学校とPTAに伝えるのが、結局いちばん早いかもしれません。ある相談への回答で、PTAが決めて文書で配ったという決まりが紹介されていました。要点はこんな内容です。
- 校門が開く前に並ぶことは禁止
- トラック周りにシートで場所取りするのは禁止
- 昼食場所として体育館を開放
- 競技の順番は事前に知らせる
- 団体演技で子どもが立つ場所も、おおまかに知らせる
- 自分の子の競技が終わったら、すみやかに次の学年に譲る
よく見ると、「譲る」を成立させるための仕組みが入っています。いつ自分の子が出るのか、どのあたりに立つのかを事前に知らせておき、保護者がスムーズに動けるように配慮しています。
兄弟姉妹の出番が続くとき、いったん出て並び直すと間に合わない
プログラムが配られた時点で、学校に相談しておくと安心です。この困りごと、学校の保護者アンケートに実際に書かれていました。それなのに、対応の仕組みを案内に載せている学校は見つからなかったんです。
つまり運用がまだ追いついていない部分ということですね。
裏を返せば、決まった手順がないぶん個別に相談できる余地があるということ。当日の朝では動けないので、出番の順番が分かった時点で伝えてみてください。
くじで割り当てられた土の場所に杭を打てない。目印はどうする?
区画を割り当てている学校なら、目印の方法もセットで聞いてしまいましょう。ネットには同じ質問が何度か投稿されていましたが、明確な回答がついていませんでした。これは案内に書かれていない学校が多いということでもあります。
土の校庭は、アスファルトのようにテープも貼れないし、杭も打てないとなると打つ手が限られます。自己判断で置いたものが撤去されてしまう可能性もあるので、聞いてしまうのが一番早いです。
日傘はさしてもいい?
これも学校によります。全面禁止の学校もあれば、保護者席の後方であれば可という条件付きの学校もありました。
理由を書いている学校もあって、日傘は後ろの人の視界をさえぎるため、帽子などを活用してほしいという案内でした。
では、禁止している学校はどうやって徹底しているのか。運動会での日傘について質問された方への回答で、ある保護者がご自身のお子さんの学校の様子をこう書いていました。
うちの子供たちの学校(公立)では、グラウンドでの日傘と脚立は禁止されています。事前に何度も学校から通達があります。(学年だより、運動会プログラムの注意書き、運動会前の宿題プリントの裏にもデカデカとしつこいくらいに何度も。)しかもそれだけではなく、子供たちから親に直接注意事項を伝えられます。(伝えるように先生に言われてくる)そのおかげでここ数年は誰も日傘をさしていません。
出典:Yahoo!知恵袋(2017年)
学校からの通達だけでなく、子ども経由でも伝える。ここまでやると効果が出るということですね。
三脚は使える?
これも学校によります。全面禁止の学校、脚立や踏み台まで含めて禁止の学校、後方であれば可の学校、周囲への配慮を求めるにとどめている学校がありました。
「三脚がだめなら一脚は」と考えたくなりますが、決まりの趣旨は「スペースを取らない」「後ろの人の視界を遮らない」ところにあります。そこから外れなければ問題は起きにくいと思います。迷ったら学校に聞いてみてくださいね。
まとめ 出発前に確認しておきたいこと
運動会の場所取りは、早く行った人が有利とは限らなくなってきている。それが調べてみての実感です。
学校が決まりを整えて、みんなが我が子を見られるようにする方向に変わってきているのですね。
まずはプリントをじっくり読んでみてください。そこに、ほとんどの答えが書いてありますよ!
