古いファンヒーターを捨てたい、しまいたいけれど、中の灯油はどうやって抜けばいいのか迷いますよね。抜いた灯油の行き先も悩みどころで、ガソリンスタンドに頼むのはちょっとためらう、という方も多いと思います。
私もちょうど古いファンヒーターを捨てようとしていて、灯油をどう抜けばいいのか、スタンドに相談するのも正直気が引けるな…と悩んでいました。
結論からいうと、動くファンヒーターなら運転して使い切るのがいちばん手軽です。
この記事を読めば、灯油の抜き方と使う道具、抜いた灯油の処分先、本体を粗大ごみに出すまでの流れが分かります。
ファンヒーターの灯油の抜き方は?

ファンヒーターの灯油は、給油タンクと、タンクの下にある本体側の固定タンクの2か所に入っています。給油タンクは使い切るか給油ポンプで抜き、固定タンクはスポイトで吸い取ります。※1
動くなら運転して使い切るのが近道
ファンヒーターがまだ動くなら、ふだんどおり運転して給油タンクの灯油を使い切るのが近道です。灯油がなくなると、給油の表示が点滅して自動で火が消えます。
ストーブの中の灯油は使い切ってから出すよう、自治体も案内しています。※2
残りが少ないなら、寒い日に使い切ってしまうのが手間も費用もかかりません。
ただし、給油タンクが空になって火が消えても、本体の固定タンクには灯油が残ります。ここは次のスポイトの手順で抜き取りましょう。
給油タンクの灯油は給油ポンプで抜く
使い切れないほど給油タンクに残っているときや、故障して動かないときは、給油ポンプで灯油用のポリ缶に移します。市販の給油ポンプで抜くよう、メーカーも案内しています。※3
給油タンクのふたを上にして置き、ポンプの吸い込み口をタンクの底まで差し込んでから吸い上げます。最後に残った分は、タンクを少し傾けると吸いやすくなります。
本体の固定タンクはスポイトで吸い取る
給油タンクを取り出したあとに見える固定タンク(灯油がたまる受け皿)は、オイルフィルターを外してからスポイトで吸い取ります。
機種によっては、スポイトが付属していることもあります。抜き方は次の6ステップです。
- STEP1冷めてから電源プラグを抜く
運転を止めて本体が冷めたら、電源プラグを抜きます。火の気のない、換気のよい場所で作業します。
- STEP2新聞紙を敷いて手袋をする
灯油がたれてもいいように床に新聞紙を敷き、ニトリルゴムの手袋をはめます。
- STEP3給油タンクを取り出す
給油タンクを取り出します。灯油が残っていたら、先に給油ポンプでポリ缶に移しておきます。
- STEP4オイルフィルターを取り出す
固定タンクの中にあるオイルフィルターを取り出します。灯油がたれやすいので、ゆっくり持ち上げましょう。
- STEP5スポイトで固定タンクの灯油を吸う
固定タンクに残った灯油をスポイトで吸い取り、ポリ缶に移します。何回かくり返すと、ほとんど抜けます。
- STEP6拭き取って元に戻す
底に残った分はキッチンペーパーで拭き取ります。オイルフィルターと空の給油タンクを戻して終わりです。
しまっておくときも、捨てるときも、給油タンクと固定タンクの両方を空にしておくのが基本です。灯油が入ったまま捨てると、リサイクルのときに事故につながるおそれがあります。
来シーズンも使うなら、灯油を抜いたついでにオイルフィルターも洗っておきましょう。洗い方は、ファンヒーターの掃除の記事で手順つきでまとめています。
ファンヒーターは空焚きしなくていい
灯油を燃やし切るために空焚きをする、という方法も見かけますが、ファンヒーターでは空焚きは必要ありません。
運転して使い切ったあとは、固定タンクの分をスポイトで抜けば足ります。
よく聞く「から焼き」は、芯のある石油ストーブのお手入れで、ファンヒーターの空焚きとは別物です。※4
灯油を抜くときに使う道具
用意するのは、スポイト・給油ポンプ・手袋・灯油用のポリ缶の4つです。どれもホームセンターや通販で手に入り、スポイト以外は灯油を入れるときにも使えます。
| 道具 | 使う場所 |
|---|---|
| スポイト | 固定タンク |
| 給油ポンプ | 給油タンク |
| 手袋 | 作業中ずっと |
| 灯油用のポリ缶 | 抜いた灯油を入れる |
スポイトはファンヒーター用の灯油スポイトを選ぶ
固定タンクの灯油を吸うのは、ファンヒーター用の灯油スポイトです。細長い管に、にぎって灯油を吸い上げる部分が付いた形で、固定タンクのすき間にも差し込めます。
メーカーのウェブショップで買えるところもあります。※5
付属のスポイトをなくしていても、200円台から買い直せるものもあります(2026年10月時点)。「石油ファンヒーター用」と書かれたものを選んでくださいね。
給油ポンプは電池式が楽
給油タンクの灯油を移すなら、電池で動く給油ポンプが楽です。スイッチを押すだけで吸い上げ、受ける側がいっぱいになると自動で止まるタイプなら、あふれる心配もありません。
手でにぎって押す手動のポンプでも抜けます。
手袋は油に強いニトリルゴム製
手袋は、油に強いニトリルゴム製を選ぶと安心です。ニトリルゴム製は、ポリ塩化ビニル製の手袋より油や薬品に強いとされています。※6
台所用のゴム手袋は、ポリ塩化ビニル製や天然ゴム製のものが多いので、灯油を扱うなら素材の表示を見ておきましょう。破れにくい厚手のものがおすすめです。
灯油が手についたときは、石けんと多めの水で洗い流します。
抜いた灯油は灯油用のポリ缶に入れる
抜いた灯油は、灯油用として試験に合格したポリ缶に入れます。ペットボトルやびん、水用のポリ容器には入れられません。※7
ふたはしっかり閉めて、日の当たらない場所に置いておきます。ポリ缶そのものも古くなると傷むので、5年ほどを目安に買い替えるよう案内している自治体もありますよ。
抜いた灯油はどこで処分する?

抜いた灯油は、まず灯油を買ったお店に相談します。家庭ごみに出せるかどうかは自治体で違い、出せない地域もあるので、お店で引き取ってもらえないときは住んでいる自治体の案内を見てみてください。
まずは灯油を買ったお店に相談
灯油の処分は、灯油を買った販売店に相談するよう、ファンヒーターの取扱説明書にも書かれています。ホームセンターや配達してくれる燃料店など、いつも灯油を買っているお店なら聞きやすいですよね。
量が少なくても、まずは一度聞いてみましょう。引き取ってもらえるかどうかと、費用がかかるかもあわせて聞いておくと安心です。
ガソリンスタンドは電話で聞いてから
ガソリンスタンドに頼むなら、スタッフのいるフルサービスの店に、引き取ってもらえるかを電話で聞いてから持ち込みます。対応は地域やお店で違うので、使うお店に問い合わせるよう案内されています。※8
セルフのスタンドは、スタッフが少なく引き取りに対応していないこともあります。
実際に、横浜市の東戸塚にあるガソリンスタンドでは、古い灯油を無料で回収しています。量によっては断ったり有料になったりする場合があり、ポリ缶そのものは引き取っていないそうです。※9
東京の八王子市近郊では、燃料店がポリ缶ごと引き取る例もあります。容器の処分は有料です。※10
スタンドに頼みにくいときの聞き方
スタンドに頼むのが気が引けるときは、電話で「古い灯油の引き取りはしていますか」と短く聞くだけで大丈夫です。量(ポリ缶に半分くらい、など)と、持ち込める日を伝えると話が早いですね。
灯油を買ったことのあるお店なら、相談もしやすくなります。引き取ってくれるお店が見つからないときは、自治体のごみの相談窓口に聞いてみる方法もあります。
布や紙に染み込ませて出せる自治体もある
残った灯油は、布や紙に染み込ませて可燃ごみに出せる自治体もあります。名古屋市は、販売店に相談するか、布や紙に染み込ませて可燃ごみに出すよう案内しています。※11
一方で、灯油は収集しないので販売店に相談してください、という自治体もあります。
東京の練馬区は、灯油は区では収集できないとしています。※12
世田谷区は販売店に引き取りを頼み、見つからなければ清掃事務所に相談するよう呼びかけています。※13
同じ灯油でも、住んでいる場所で出し方が変わります。布や紙に染み込ませる前に、自治体の「ごみの分け方」のページで「灯油」を引いておきましょう。
灯油を抜いたファンヒーターの捨て方
灯油を抜いたファンヒーターは、乾電池が入っている機種なら乾電池も外してから粗大ごみに出します。製品の捨て方は、住んでいる自治体の決まりに従います。
名古屋・大阪・東京の手数料はこのとおりです。
| 地域 | 石油ファンヒーターの手数料 |
|---|---|
| 名古屋市 | 500円 |
| 大阪市 | 400円 |
| 東京・新宿区 | 400円か900円 |
| 東京・世田谷区 | 400円〜1,300円 |
| 東京・練馬区 | 400円 |
※収集してもらうときの手数料(2026年10月時点)。手数料は変わることがあるので、申し込むときに自治体の案内で確かめてください。
名古屋市は、石油ファンヒーターの灯油を抜き切り、乾電池を外して出します。※14
名古屋市では、2026年10月から45リットルの指定袋に入らないものが粗大ごみになりました。石油ファンヒーターも、袋に入らなければ粗大ごみで出します。※15
大阪市の手数料は400円です。※16
新宿区はタンクの容量が5リットルを超えると900円になります。※17
世田谷区は重さで手数料が変わり、10キロ以下なら400円、20キロ以下なら900円、30キロ以下なら1,300円です。※18
練馬区はストーブもファンヒーターも400円です。※19
粗大ごみの申し込みから出すまでの流れ
粗大ごみは、自治体の受付センターに電話かインターネットで申し込みます。手数料の分の処理券(シール)をコンビニなどで買って本体に貼り、決められた日の朝、指定の場所に出す流れです。
インターネットで申し込むと、キャッシュレスで払える自治体もあります。申し込みには締め切りがあるので、捨てる日が決まったら早めに申し込んでおきましょう。
空になったポリ缶も自治体のルールで捨てる
灯油を抜いたあと、古いポリ缶も一緒に手放したいときは、中を空にしてから自治体のルールで出します。灯油を引き取ってくれるお店でも、ポリ缶は持ち帰りになることがあります。
名古屋市は、45リットルの指定袋に入れば可燃ごみ、入らなければ粗大ごみです。
新宿区は粗大ごみで、手数料は400円です。中身を空にして出すよう書かれています。
練馬区もポリタンクは粗大ごみ(有料・申込制)です。※20
運ぶときは横倒しにしない
灯油を抜いたつもりでも、本体の中に少し残っていることがあります。運ぶときやしまっておくときは、傾けたり横倒しにしたりせず、水平に持ちましょう。
中を確かめようとして分解するのもやめておきましょう。燃焼部や電気部品の分解は、取扱説明書でもしないよう書かれています。
ファンヒーターの灯油の抜き方のよくある質問
抜いた灯油をペットボトルに入れていい?
入れられません。灯油は、灯油用として試験に合格したポリ缶に入れます。
抜いた灯油は次の冬に使える?
使わないのが安心です。前のシーズンから持ち越した灯油は変質していることがあり、火がつきにくい、途中で消えるといった不調の原因になります。
スポイトがないときは?
まず取扱説明書や付属品を確かめてみてください。なければ、ファンヒーター用の灯油スポイトが200円台から買えます(2026年10月時点)。
給油ポンプは給油タンク向けなので、固定タンクにはスポイトが向いています。
まとめ
- 動くファンヒーターは、運転して給油タンクの灯油を使い切るのがいちばん手軽
- 給油タンクは給油ポンプ、本体の固定タンクはスポイトで抜く
- 手袋は油に強いニトリルゴム製、抜いた灯油は灯油用のポリ缶へ
- 抜いた灯油はまず買ったお店に相談。スタンドは電話で聞いてから
- 布や紙に染み込ませて出せるかは自治体で違う
- 本体は灯油と乾電池を抜いて粗大ごみに。手数料は400円〜1,300円ほど(2026年10月時点の名古屋・大阪・東京の例)
- 空のポリ缶も自治体のルールで。名古屋市は袋に入れば可燃ごみ
灯油の行き先さえ決まれば、ファンヒーターの片付けはぐっと気が楽になります。まずは給油タンクを使い切るところから始めてみてくださいね。
出典:※1 コロナ「石油ファンヒーター FH-CPF33 取扱説明書」 ※2 名古屋市「ストーブの中のあまった灯油の処理は?」 ※3 コロナ「石油ファンヒーターのしまい方」 ※4 コロナ「暖房シーズン終了にともなうお手入れ方法と保管方法」 ※5 ダイニチ「石油ファンヒーターのしまい方のポイント」 ※6 オカモト「手袋」 ※7 熊本市「ご家庭での灯油の保管・取扱いの留意事項について」 ※8 コスモ石油「サービスステーションFAQ(よくあるご質問)」 ※9 株式会社アセント「古い灯油(廃灯油)の処分にお困りの方へ」 ※10 日本エネルギー「灯油」 ※11 名古屋市「処理困難なもの」 ※12 練馬区「品目検索 た行」 ※13 世田谷区「資源・ごみの分別(50音順)」 ※14 名古屋市「粗大ごみの分け方・出し方について」 ※15 名古屋市「令和8年10月から、粗大ごみの対象が変わりました」 ※16 大阪市「大阪市 粗大ごみ処理手数料一覧」 ※17 新宿区「粗大ごみの処理手数料一覧」 ※18 世田谷区 粗大ごみ受付センター「品目一覧」 ※19 練馬区 粗大ごみ受付センター「品目一覧」 ※20 練馬区「品目検索 は行」

